スノーボードを今年から始めたい!そう思ったとき、まず立ちはだかるのが「聞きなれない専門用語の壁」ではないでしょうか?
道具選びやスタンス、滑り方の種類など、初めて耳にする言葉も多くて戸惑いますよね。
でもご安心ください。全部を完璧に覚える必要はありません。この記事では、初心者の方にぜひ知ってほしいスノーボードの基本用語をわかりやすく紹介します。
「なんとなく意味がわかる」だけでも、道具選びや滑り方の理解が深まります。ぜひ参考にしてください!
①ノーズ?テール?スノボ板のパーツ用語を解説!
ノーズ
ノーズとは、スノーボードで滑るときに進行方向に向いている板の先端部分のことを指します。
テール
テールはノーズの反対側、つまり進行方向とは逆の端です。
ノーズとテールは、板のビスから先端までの長さで見分けることができます。長い方がノーズ、短い方がテールです。
ソール
ソールとは、ボードの裏面(雪に接する面)のこと。
主にポリエチレンなどの素材でできていて、素材によって滑りやすさやお手入れのしやすさが異なります。
エッジ
エッジとは、ボードの両横に付いている金属部分のことです。
体重をエッジ側にかけることで、スピードを調整したり方向転換したりすることができます。
サイドカーブ
サイドカーブは、スノーボードのくびれ部分を表す用語です。
板によってくびれの度合いが異なり、「サイドカーブ8.2」といった数値で表示されます。数値が小さいほどくびれが大きく、よく曲がる=小回りが利くのが特徴。一方で、スピードが出るとやや安定しにくくなります。数値が大きい板はくびれが少なく、直進時の安定性が高いのが特徴です。
ウェスト幅、ノーズ幅、テール幅
これは、それぞれボードの中央・先端・後端の幅のことを指します。
一般的には、ブーツの前後に1cmほどの余裕がある幅がちょうど良いとされています。
幅の太さは、板の扱いやすさや操作性に大きく関わります。購入時はショップのスタッフに相談してみましょう。
フレックス
フレックスとは、板のしなり具合(硬さ・柔らかさ)のこと。
柔らかい板は、グラトリや初心者の練習に向いているとされています。
ビンディング
板とブーツとを固定する部品のこと。バインディングとも呼ばれています。
デッキパッド
板に貼る滑り止めのことです。
一般的には、両足の間のやや後ろ足寄りに貼ります。ワンフット(片足滑り)の際にここを踏むことで、足が板からずれにくくなります。
リーシュコード
ボードが足から外れて滑って行かないようにするための紐のこと。
②スノボブーツにまつわる基本用語と構造
シューレース(ブーツを締める紐)
シューレースとはブーツの靴紐を意味する単語です。
スノボのブーツには、紐を締める仕組みが複数あり、以下が代表的な3タイプです。
①紐タイプ
靴のような紐を自分で手で締める方式で、昔ながらのスタイル。
好きな箇所の締め加減を調整でき、壊れても紐だけ交換すれば済むのが強みです。しかし手袋をした状態では調整がしにくく、日中に緩むこともあります。
②スピードレース(クイックレース)タイプ
強化ナイロンのコードとプルハンドルで作られた、ワンアクションで引っ張るだけで締められる仕組み。
グローブをしたままでも操作でき、時間も短縮できる便利さがあります。
ただし、紐が切れた場合の補修が難しい点が注意。
③BOAタイプ
ダイヤルを回すと内部ケーブル(ワイヤー)が締まる方式で、微調整がきく精密な締め心地が魅力です。
グローブ着用でも回せる簡単操作で、耐久性も高くメーカー保証付きのことも多いです。
ダイヤル一つのタイプ、足首と甲の部分で2つダイヤルを使うタイプなどがあり、それぞれ締め具合を分けて調整できます。
インナーブーツ
スノーボードブーツは、外側のアウターブーツと内側のインナーブーツに分かれています。
インナーブーツのタイプやフィット感、履き心地の良さは、使いやすさに直結するため、ブーツ選びではとても大切なポイントです。
③スノボウェアにまつわる基本用語と便利な機能
スノボウェアには、防寒性だけでなく、快適に滑るためのさまざまな機能が備わっています。
ここでは、雪の侵入を防いだり、通気性や動きやすさを高めたりするための、基本的な用語を紹介します。
①パウダーガード
ジャケットやパンツのウエスト部分に付いており、ウェアの中に雪が入り込むのを防ぎます。一体型のウェアもありますが、取り外しが可能なタイプもあります。
②ベンチレーション
ウェアの脇や、パンツの内側に設けられた通気口です。ファスナーで開閉でき、ウェア内の熱を外に逃がすことで、体温調節が可能です。
③ゲーター
ジャケットの袖口やパンツの裾から雪が侵入するのを防ぎます。
④スノボのスタンスに関する基本用語
スノーボードを始めるときに、まず知っておきたいのが「スタンス(足の向き)」に関する基礎知識です。
人によって滑りやすい足の向きが異なるため、どちらの足を前にして滑るかをあらかじめ決めておく必要があります。
ここでは、初心者が最初に覚えておきたいスタンスの種類と、その特徴について分かりやすく解説します。
レギュラースタンスとは?
「レギュラースタンス」とは、左足を前(進行方向側)に出して滑るスタイルのことです。
「レギュラー(regular)」は「標準」や「一般的」という意味があり、実際にこのスタイルで滑る人が多いです。
グーフィースタンスとは?
一方で「グーフィースタンス」は、右足を前にして滑るスタイルです。
「グーフィー(goofy)」は、「ちょっと変わった」や「個性的な」という意味があり、レギュラーとは逆の立ち方になります。
割合としては少数派ですが、体の感覚によってはこちらのほうが滑りやすいという人もいます。
レギュラーとグーフィー、どちらが正解?
実はどちらが良い・悪いということはなく、自分の体のバランスや感覚に合うかどうかが重要です。
スタンスはスノーボード板のセッティング(バインディングの向き)に直接関わるため、最初にどちらかを決めておく必要があります。
迷ったときは、ショップのスタッフやスクールのインストラクター、レンタル時のスタッフのアドバイスを参考にしてみましょう。実際に両方のスタンスを試してみることで、自分に合った立ち方が見つかります。
⑤スノボのスタイル(滑り方)に関する専門用語
スノーボードには、自由にゲレンデを滑るスタイルから、トリックやジャンプを楽しむスタイルまで、さまざまな滑り方があります。
ここでは、初心者にもわかりやすく、代表的なスノボスタイルの種類と特徴をご紹介します。
フリーライディング
フリーと名の付く通り、自由に滑走することです。
カービングターンをしたり、地形を活かして遊んだりと、楽しみ方は無限大。
自由度が高く、自然と自分のスタイルを身に付けることができます。
グラトリ
正式名称は「グラウンドトリック(Ground Trick)」で、平らな雪面や緩やかな斜面でトリック(技)を楽しむスタイルです。
気軽に練習できて危険性も低いため、初心者や女性でも挑戦しやすいです。
次に紹介する「パークスタイル」へのステップアップにもつながります。
パークスタイル
スキー場に設置された「スノーパーク」と呼ばれる専用エリアで、ジャンプや障害物を使ったトリックを楽しむスタイルです。
代表的なアイテムは、ジャンプ台(キッカー)、レールやボックス(ジブ)など。初心者向けの小さなキッカーやジブも用意されていることが多く、グラトリに慣れたらチャレンジするのも良いでしょう。
ただし、無理はせず、安全第一で楽しみましょう。
バックカントリー
整備されたスキー場ではなく、自然の山や雪原で滑るアドベンチャースタイルです。
圧雪されていない「パウダースノー」の上を滑るため、浮遊感や静かな自然の中でのライディングが魅力。
ただし、雪崩や遭難のリスクがあるため、経験や知識が必要です。
初心者の方がいきなり挑戦するのは危険なので、興味がある場合は必ずツアーガイド付きのバックカントリーツアーに参加しましょう。
⑥その他のスノボで役に立つ関連用語
これまでご紹介した基本用語のほかにも、知っておくと役立つスノボ用語がいくつかあります。
今回はその中から、「スイッチ」や「ワンフット」など、実際の滑走シーンでよく使われる用語をピックアップしてご紹介します。
ワンフット
スノーボードでは、両足をビンディングで板に固定して滑りますが、リフト乗車時などには片足だけを外して移動する場面があります。これを「ワンフット」といいます。
初心者にはバランスをとるのが難しく感じられるかもしれません。無理に行わず、両足を外して板を手に持って歩いてもまったく問題ありません。
スイッチ
「スイッチ」とは、自分のスタンスとは逆向きに滑ることを指します。
「フェイキーライディング」とも呼ばれますが、最近では「スイッチ」や「スイッチライディング」という言い方が主流です。
スイッチで滑ると普段と逆のバランスを求められるため、自然と体幹や平衡感覚が鍛えられます。これにより、できる技の幅も広がっていきます。
パウダースノー
「パウダースノー」とは、粉のようにサラサラとした軽くて乾いた雪のことを指します。
滑り心地がなめらかで、まるで雪の上に浮かんでいるような独特の浮遊感が味わえるため、多くのスノーボーダーやスキーヤーを魅了しています。
アイスバーン
雪が昼間の気温でいったん溶け、夜間の冷え込みで再び凍った状態が「アイスバーン」です。
表面が固くツルツルしているため、エッジが効きにくく、コントロールが難しくなります。初心者は特に転倒しやすくなるため、プロテクターなどの安全対策が重要です。
ゲレ食
「ゲレ食(ゲレンデごはん)」とは、スキー場のレストランやロッジで食べられる料理のことです。
昔ながらのカレーやラーメンなどの定番メニューに加え、最近では地元食材を使ったご当地グルメや、ボリューム満点のメニューが楽しめる施設も増えています。
⑦まとめ
スノーボードを始めるうえで、用語の意味を知っておくことはとても大切です。「ノーズ」「スタンス」「グラトリ」など、初めて聞く言葉も多いかもしれませんが、少しずつ覚えていけば大丈夫。
今回ご紹介した用語を知っておくだけでも、道具選びや滑り方への理解が深まり、ゲレンデでの不安がぐっと減るはずです。無理に全部を覚えようとせず、実際に体験しながら少しずつ言葉に慣れていきましょう。
わからない用語が出てきたときは、ぜひこの記事を見返してみてください。スノーボードの楽しさをもっと広げるヒントが、きっと見つかりますよ!